Topics 2002年9月16日 鳥取県東部の地震 (in Japanese) ✏ 2002/9/16 掲載
概要

   2002年9月16日10時10分ごろに鳥取県東部でマグニチュード(M)5.3の地震が発生し, 鳥取県関金町,赤碕町等で震度4を記録しました(気象庁による)。

   高感度地震観測網(Hi-net)のデータ解析により,震源の位置は北緯35.37度,東経133.74度,深さ9.8kmに求まりました。
また,Hi-netによる初動解析, 広帯域地震観測網(F-net) によるCMT解析の結果, 9月16日の10:10ごろに発生した本震は北西−南東方向に圧縮する力を受けて発生した横ずれ断層型の地震であったと推定されます。

   無感のものを含め多数の余震が観測されましたが,地震の数は増減を繰り返しつつ減少しています。

   今回の地震活動の震央は,大山の東麓,倉吉平野の西端に位置します。 1985年7月には,大山の東で群発地震が発生しました。倉吉平野の東端では1983年10月にM6.2の地震が, さらに東の鳥取平野では1943年9月に鳥取地震が発生しており, 今回の地震活動域はこれらの地震活動の空白地を埋めるような領域に位置します。 2000年10月の鳥取県西部地震は今回の地震活動よりも約40km西側, 鳥取県と島根県の県境付近で発生しました。
(汐見勝彦)

▼図1 地震発生状況
▼図2 最新24時間の震央分布
▼図3 最新1週間の震央分布
▼図4 本震のメカニズム解
    本震のメカニズム解は,Hi-net(初動解),F-net(CMT解)により,それぞれ以下のように求められました。
    Hi-net 初動解析 F-net CMT解析
    メカニズム解 Hi-net F-net
    走向(Strike) 83.7/353.5 167/257
    傾斜(Dip) 88.7/ 78.1 >86/ 83
    すべり角(Slip) -168,1/-1.4 -7/-176
    震源深さ 9.8km 11km
    マグニチュード 5.5 5.1
    モーメント   5.4x1016Nm


▼図5 (x3) 鳥取県関金観測点(SKGH / TTRH07)における連続波形記録 Hi-netの関金観測点(SKGH / TTRH07)は,本震の南東約1kmに位置します。
以下に示す各図は関金観測点における上下動成分1時間の記録です。 1分ごとに改行して表示しており,縦軸が"分",横軸が"秒"を表します。
1分ごとのトレース間隔が振幅10-6m/sに相当します。
9月16日10時台 の地震記録です。9月16日10:10頃に本震が発生しました。
関金町の震度は4と発表されており,Hi-netでも非常に大きな振幅の地震波を記録していることがわかります。
本震直後から多数の余震が発生しています。


9月16日11時台 の地震記録です。引き続き,大小様々な余震が多数発生しています。


9月18日10時台 の地震記録です。本震発生から48時間経過しています。
余震は継続していますが,地震の規模も小さく,数も少なくなっています。 余震は増減を繰り返しながら,収束する傾向にあります。


▼図6 地震のメカニズム解分布と地震波形
本震及び本震から48時間以内に発生した余震の震央分布の拡大図とマグニチュード (M)3.0以上の地震のメカニズム解の分布を左下図に示します。 ここに示したメカニズム解はHi-netの初動解析によるものです。 北西−南東方向に圧縮軸を持つ横ずれ断層型のメカニズム解が主ですが, Bの地震のように正断層型を示すものもあります。

右下には,関金観測点(SKGH)で観測された上下動波形を示します。 各波形の右側に示した記号は上に示したメカニズム解の記号と対応しています。 また,各波形の左側にはP波付近を拡大して表示しました。

余震は半径3km以内の非常に狭い範囲で発生していますが,震源が近い地震であっても異なった波形が観測されています。 P波初動もUPとDOWNが半々で存在しており,余震の震源位置や地震のメカニズムの違いを表しています。


  発震時 緯度 経度 深さ 走向 傾斜角 すべり角
A 09/16 10:10:49 5.5 35.367N 133.741E 9.8km 83.7 / 353.5 88.7 / 78.1 -168.1 / -1.4
B 09/16 10:20:39 3.2 35.361N 133.739E 9.1km 233.3 / 60.5 27.9 / 62.2 -96.4 / -86.6
C 09/16 10:28:50 3.2 35.363N 133.720E 9.9km 260.8 / 165.3 66.4 / 77.7 -166.5 / -24.2
D 09/16 10:40:50 3.5 35.364N 133.721E 9.9km 302.3 / 167.2 34.3 / 64.2 -129.5 / -66.5
E 09/16 11:13:02 3.2 35.363N 133.732E 7.9km 251.3 / 343.0 63.3 / 86.5 176.0 / 26.8
F 09/16 13:57:17 3.5 35.364N 133.742E 8.0km 259.4 / 165.6 64.3 / 82.2 -171.3 / -25.9
G 09/17 00:38:26 3.6 35.363N 133.731E 8.8km 70.6 / 339.3 88.0 / 57.1 -147.1 / -2.3
H 09/17 01:07:29 4.0 35.360N 133.730E 8.2km 247.9 / 338.5 84.4 / 82.9 172.9 / 5.6



▼図7 最大振幅分布図
地震を記録した観測点での上下動最大振幅(地震による揺れの大きさ)の分布状況を表すシェイクマップです。
赤色は大きな揺れを記録したことを表し,緑色に近づくにしたがって,揺れは小さくなります。 小さな丸は観測点の記録が飽和し,正確な情報が得られていないことを表します。

北海道から九州まで広範囲のHi-net観測点で地震による揺れを観測しました。 震源近傍の鳥取県・関金観測点では,7mm/s程度の大きな振幅を記録しました。

震央の東側に比べて南西側の方が大きな振幅が記録されています。 この傾向は2000年鳥取県西部地震やその余震,2001年1月の兵庫県北部の地震, 同年8月の京都府中部の地震においても観測されており, 中国・四国地方及びその周辺の地殻構造の影響であると考えられます。

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