| ■ 2007年1月13日の地震 |
2007年1月13日13時24分ごろ,
千島列島シムシル島東方沖を震源とするマグニチュード8.2(気象庁暫定値)の地震が発生し,
北海道や東北地方では最大震度3を観測したと共に,
北海道から東北地方にかけての太平洋沿岸と小笠原諸島で津波を観測しました。
この付近では,
2006年11月15日
に,マグニチュード7.9(気象庁)のプレート境界型地震が発生していますが,
今回の地震の震央は北緯46.1度,東経154.2度(気象庁)であり,前回の地震よりも東方に位置します。
上記震央位置を元に,防災科学技術研究所広帯域地震観測網F-netデータを用いて得られた
モーメントテンソル解暫定処理結果を図2に示します。
これによると,モーメントマグニチュードMw8.1,震源の深さは8kmで,
東北東―西南西の走向を持つ正断層のメカニズム解が推定されました。
この断層面の走向は千島海溝とほぼ平行であり,震源が千島海溝軸よりもやや太平洋側に位置していることから,
アウターライズ(海溝外縁隆起帯)で発生したプレート内地震であると考えられます。
海洋プレートは海溝軸の少し手前から大きく曲げられ,沈み込みを開始しますが,
このようなプレートの曲げによって浅部では正断層型,
深部では逆断層型のプレート内地震がアウターライズ付近で発生します。
今回の地震は,浅い正断層型のプレート内地震であり,1933年の三陸地震(M8.1)
(「地震の基礎知識」参照)
と同様のメカニズムの地震です。
今回の地震は,2006年11月15日のプレート境界型地震に比べ,広範囲にわたって震度が観測されました。
それぞれの地震について,防災科学技術研究所高感度地震観測網Hi-net及び,
大学・気象庁等の高感度地震観測データから得られた最大振幅分布を比較すると,今回の地震の方が揺れの強さが大きく,
揺れの範囲が広いことがわかります(図3)。
また,それぞれの地震波形を比較すると,今回の地震では短周期成分が強く励起されており
(図4,図5),
その短周期強震動が太平洋プレート内を伝播して,北海道の太平洋側から東北日本全域に広がったものと考えられます。
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震源情報は,米国地質調査所(USGS)National Earthquake Information Center (NEIC)
のホームページに掲載されているものを利用した。
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| ■ 図2 広帯域地震観測網F-netデータに基づくモーメントテンソル解暫定処理結果 |
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震央位置は気象庁の速報値(北緯46.16度,東経154.2度)に固定して解析した結果,深さ8km,
モーメントマグニチュードMw8.1の正断層型メカニズム解が推定された。
図の見方については,
こちら。
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| ■ 図4 広帯域地震観測網F-netの上下動成分波形記録 |
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時間長は2000秒。震央距離順に並べて示す。振幅範囲は±2mm/sで固定されている。
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| ■ 図5 広帯域地震観測網F-netの上下動成分波形記録 |
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時間長は500秒。震央距離順に並べて示す。振幅範囲は±1mm/sで固定されている。
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