Topics 2001年12月2日 岩手県内陸南部の地震 ✏ 2001/12/3 掲載
概要

   2001年12月2日22時02分ごろに岩手県内陸南部でマグニチュード6.3の地震が発生し, 宮城県古川市,涌谷町で震度5弱を記録しました(気象庁による)。
   高感度地震観測網(Hi-net)の暫定処理結果によると,震源の位置は北緯39.39度,東経141.28度,深さ126.6kmで, 太平洋プレート内の二重深発地震面下面にほぼ一致します。
   高感度地震観測網による初動解析結果,広帯域地震観測網によるCMT解析結果ともに, ダウンディップエクステンション型のメカニズム解が求まりました。 これは,プレートの沈み込み方向に引っ張りの力を受けて地震が発生したことを示しています。
     東北地方の直下に沈み込む太平洋プレートの中で発生する深発地震は,二枚の地震面に分かれて発生し, 上面の地震はダウンディップコンプレッション(沈み込む方向に圧縮), 下面はダウンディップエクステンションのメカニズム解を示すことが知られています。 今回の地震もそれと調和的であるといえます。


▼図1 地震発生状況
上の図にはHi-net処理システムにより決定された岩手県内陸南部周辺の震源分布(2001/12/02 22:00〜12/03 8:00) を赤印で示しました。
は2001/12/02 22:02の本震震源位置を, は余震の震源位置を表します。
背景には気象庁が決定している震源情報(気象庁一元化震源情報:1997/10/1〜2001/11/30)をプロットしました。


▼図2 メカニズム解   (Hi-netによる初動解,FreesiaによるCMT解は以下のように求められました)
  Hi-net 初動解析 Freesia CMT解析
メカニズム解
走向(Strike) 289.4 / 155.0 175 / 17
傾斜(Dip) 17.3 / 77.7 84 / 7
すべり角(Slip) -134.3 / -77.7 -93 / -68
震源深さ 126.6km 119km
マグニチュード 6.9 6.5
モーメント --- 5.3x1018Nm



▼図3 CMT解を用いた断面図   (広帯域地震観測網により1997年1月1日以降に決定されたCMT解を断面図に示します)
11月,12月中に発生した地震のCMT解を赤く,また本震のCMT解を拡大して表示しています。 投影は紙面に垂直な方向に行っており,
今回の地震が沈み込む方向に伸張軸をもつダウンディップエクステンション型のメカニズムであったことがよくわかります。

背景には気象庁一元化震源情報(1997/10/01〜2001/11/30)をプロットしました(・)。


▼図9 地動の様子 最大振幅分布図
地震を記録した観測点での最大振幅(地震による揺れの大きさ)の分布状況を表すシェイクマップです。 赤色は大きな揺れを記録したことを表し,緑色に近づくにしたがって,揺れは小さくなります。 小さな丸は観測点の記録が飽和し,正確な情報が得られていないことを表します。

日本全国のHi-net観測点で地震による揺れを観測しました。 震央近くの観測点では,最大で1cm/s以上の大きな振幅を記録しています。 震央から一番遠い鹿児島県・佐多観測点までの距離はおおよそ1330kmあり, 一番近い岩手県・東和観測点の約500分の1の微弱な揺れを記録しました。

一般に,震源から遠ざかるにつれて振幅(揺れ)は小さくなりますが, 震源からの距離がほぼ同じであっても,北日本〜東日本の太平洋岸, とりわけ北海道の太平洋岸で揺れが大きくなっていることがわかります。 これは,沈み込む太平洋プレートの影響であるといえます。

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