Topics 防災科研Hi-netで捉えた2010年8月7日の火球による振動 ✏ 2010/8/17 掲載
   2010年8月7日の17時過ぎ,東海地方を中心に,爆発音のような音が聞こえたという報告が多くあった。
空が十分に明るい時間帯にもかかわらず,明るい光を見たという目撃例があることから, この音は火球による衝撃波によるものと考えられている。 この衝撃波による振動は,防災科研Hi-net等の高感度地震計で記録された。その一例を図1に示す。
図2にはこの振動がみられた時刻を等時刻線で示してある。なお, 2003年の6月16日にも,火球によると考えられる振動が関東地方で同様に捉えられている。 火球は一般に地表に対して音速よりも高速で落下するため, 地表に近いほど振動の発現時刻は早くなる(アニメーション)。
図2にみられるように,観測された振動の発現時刻は,琵琶湖付近を取り囲むような分布をしている。 いくつかの仮定をおいて計算したところ,この発現時刻の分布は,火球が45度以上の高角度で落下し, 琵琶湖付近の20〜30km上空で大部分が燃えつきたとすると,よく説明される。
▼図1 防災科研Hi-netおよびF-net観測点で記録された火球による振動の例。
    (表示にあたっては,地震計の上下動成分を用い, 8-16Hzの帯域でバンドパスフィルターを適用したのち,最大振幅で規格化している。)

▼図2 火球による振動発現時刻と,振動がみられたHi-net, F-net観測点の位置。

▼図3 火球から発生した音波が伝播する様子


火球から生じた音波(衝撃波)の波面が伝播する様子を円で表している。 時間とともに円の半径が大きくなっていくが,火球の突入速度は音速に比べはるかに速いため, 音波が地面に到達する時間は,火球の水平位置よりも火球の高度に依存していることがわかる。

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