防災科研Hi-netで捉えた2003年6月16日の火球による振動
2003年6月16日22時10分頃,関東地方北部の広い範囲にわたって雷鳴または爆発音のような音が聞こえたことが多数報告された。
当日は曇天であったが,雲を通して明るい光が移動したという目撃例があることから,
火球による衝撃波と考えられる。
この時の振動が防災科研Hi-netで記録されていた。
図1は,
防災科研Hi-net及び気象庁・大学の微小地震観測点で記録された振動の発現時刻をコンター表示したものである。
コンターの谷が北西から南東方向に向かって伸びており,北西に向かって到達時刻が遅くなっている。
火球はこの谷筋の上空を北西から南東に向け通過したとみられ,南東に行くほど高度を下げているため,
振動の発現時刻が早くなっていると思われる(アニメーション)。
この事は,火球の目撃例と符合する。振動発現時間差から,いくつかの仮定のもとで推定される進入角度は,
約15〜20度程度で,水戸市上空を通過した高度は約30〜40kmと推定される (松村稔)。
図1 火球による振動発現時刻
図2 防災科研Hi-netで記録された火球による振動波形例
図3 火球から発生した音波が伝播する様子
火球から生じた音波(衝撃波)の波面が伝播する様子を円で表している。
時間とともに円の半径が大きくなっていくが,火球の突入速度は音速に比べはるかに速いため,
音波が地面に到達する時間は,火球の水平位置よりも火球の高度に依存していることがわかる。
謝辞:一部気象庁,東京大学,東北大学の各微小地震観測網のデータを使用させて頂いた。
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