| ■ 2002/9/10 掲載 |
2002年8月29日未明と8月30日未明,四国から鳥取域にいたる西南日本において
人工地震を用いた大規模な地下深部構造探査が行われました。
これは,南海地震発生の一因であるフィリピン海プレートの沈み込み形状や地震が発生する場所の
深い構造を明らかにするための調査で,海洋科学技術センター,
東京大学地震研究所が全国の大学・関係機関と共同して行ったものです。
高感度地震観測網(Hi-net)では,これらの人工地震の多くを通常の地震として自動的に検出しました。
Hi-netで求めた人工地震の震央位置を地図中に★印で,
Hi-netの観測点位置を▲あるいは△で示します。
図中の★印をクリックすると,
人工地震探査測線沿いのHi-net観測点(▲印)
で記録された震動波形が表示されます。
それぞれの震動波形の図では,人工地震の震央位置(★)
を 0 kmとし,
震央距離に応じて震動波形を並べました。
縦軸は震央距離を表し,震央よりも北側が正,南側が負になっています。
震動波形には,2 Hz の高域通過フィルタを適用してあり,
その振幅はそれぞれの観測点の最大振幅で規格化しています。横軸は時間を表します。
5.8 km/sで震動波が伝播した場合に,
その波が図上で縦の直線に並ぶように各観測点で観測された震動波形の時間軸を移動させています。
中国地方で実施された人工地震(J1〜T5)に対し,
中国地方で観測された震動波の初動は図上でほぼ縦の直線状に並んでいます。
このことから,中国地方の地殻のP波見かけ速度はおおよそ5.8 km/s
であることが推定できます。これに対し,四国地方で実施された人工地震(T7〜T10)
に対して観測される震動波は直線状に並ばず,
四国内陸部(徳島県周辺)に向かう震動波が遅れて到着しています。
これから,四国内陸部の地殻のP波見かけ速度は中国地方や四国沿岸部よりもやや遅く,
5.6 km/s 程度であると推察されます。
また,四国で観測された人工地震の震動波形には,
直達波から約2秒後に地下の不均質構造からの反射によると思われる顕著な後続波が見られる観測記録もあります。
構造探査の詳細については,
海洋科学技術センター・プレスリリース
をご覧ください。
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