11.4 活断層調査

 前項の古地震調査によっても,遡ることのできる過去は, 人類が記録を残すようになった2000〜3000年前までです. したがって,活動の周期が数千年〜数万年といわれる活断層の活動履歴を知るためには, 地形学的あるいは地質学的な手段を用いねばなりません.
 すなわち,地形や地層の食い違い状況の観察と,年代測定の技術を組み合わせることにより, 特定の活断層の変位速度,地震の再来間隔,一回の地震によるずれの量, 最新の活動時期などの推定が行われています.

=== 図11.5 トレンチ調査の例(愛知県提供:科学技術庁パンフ「活断層」より) ===
トレンチ調査の例  このような作業を行うためには,活断層を横切る溝状のカットを作ってその壁面を観察することが有効であり, これを「トレンチ調査」(図11.5)と呼びます.

 地震調査研究推進本部では,基盤的な調査観測の一環として, 図6.4に示した我が国の活断層のうち, 主要なものを98の活断層帯に分類し,それらを対象として,上記の諸量を見積もる作業を全国的に進めています.
 平成12年度末現在, (旧)地質調査所や地方自治体などによって88の活断層帯に関する調査が終了または進行中であり, これらのうち,糸魚川―静岡構造線断層帯(中部),神縄・国府津―松田断層帯,富士川河口断層帯などについては, 「現在を含む今後500年以内に地震発生の可能性がある(または高い)」とする評価結果を公表しています.

 なお,海底下の活断層については,海底地形や海底地質構造を求める調査の一環として, 海上保安庁海洋情報部や大学などによる活断層調査が実施されています.




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